世界と日本の学級規模について 数字のマジック
文部省は、国民の切実な要求である30人以下学級のための、教職員の配置計画、第7次計画を、生活集団40人、学習集団20人ということで、T・Tの増員という、少数の教職員の増員でごまかそうとしています。
そういう時に使う数字、「教職員配置のあり方に関する調査研究協力者会議」でも使った数字は以下のとおりです。
改善の効果として、
日本 アメリカ ドイツ
小学校 19.3人→18.6人 18.8人 18.7人
中学校 16.7人→14.7人 14.6人 15.0人
日本は、もう十分に欧米諸国と同等になったというわけです。
神奈川県の資料では(1999年度) 小学校 21.5人 中学校 17.6人
- 横浜市の資料では(1999年度) 小学校 21.5人 中学校 18.4人
であり、全国平均を少し上回っています。しかし、現実の学校では、31人以上の学級が圧倒的に多い。 神奈川県の資料では、小学校で、63.9% 中学校で、88.5% であり、養護学級を除いて、
通常学級だけでみると、小学校で、71.8%中学校で、96.9%
中学校はほとんど全部の学級が31人以上であることを示しています。これを、教員1人当たり児童・生徒数に適応すると、次のようになり、文部省の資料は現実の学校の状況を示しているとはいえません。
小学校 21.5人→25.5人(推計)
中学校 17.6人→20.8人(推計)欧州諸国に比べて、5〜6人も多いということになります。こちらの方が、教職員の実感にあっているはずです。だからこそ、30人以下学級の実現は必要なのです。
また、今回は、TTの増員で問題を生活集団と学習集団とを分けて考え、学習集団を小さくするといいます。TT導入期には、この方式を学校でやろうとすると、TTはあくまで二人で一つの学級を見るので、二つに分けてはいけないと否定されたので、その自己批判もなしに新しい方式を取り入るのは便宜主義で、教育といいがたいのではないでしょうか。横浜市教育委員会は、よこはまプランで、これを先取りして、1学級(32人)を4グループにわけての指導や、2学級を合併し、16人と48人の2グループにわけての指導も教科によってはありうることを示しています。しかし、そのためにはTT担当者が多数いなければならず、多数ならば、小規模学級にした方がよいかもしれないことも考慮しなくてはならないでしょう。このTTを非常勤講師ですませようとするならば、学校での子どもたちの居場所の問題として別の問題がでてきます。やはり、急いで30人以下学級を実現させることが、子どもたちの居場所、安心した生活の場の提供になるでしょう。
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