横浜教職員の会TOPへ

30人学級・教職員定数TOPへ

神奈川県議会での30人学級をめぐる質疑

2001年10月1日神奈川県議会本会議での藤谷昌男県議(共産党)の質問と県知事と教育庁の答弁

もっと詳しくhttp://www.kengidan.com/congress/0112-fujitani.htm

                      http://www.pref.kanagawa.jp/gikai/gikai.htm                        


教育問題について

担任の産休や病休時の代替教員が居ないという事態をどう受け止めるのか

藤谷県議
 第4は、教育問題についてです。
 昨年度の神奈川県の小・中・高の児童・生徒による暴力行為発生件数は、5,295件で、1000人あたり6.4人、全国ワースト3位です。また、不登校の児童生徒数は県内の小・中学校だけで8,502人。中学生は、神奈川県では30人に一人となり、全国平均の38人にひとりを上回っているほど深刻な事態です。これらの問題を改善していくために、教員の一丸となった取り組みが求められています。ところがこの6月・7月、県内の小学校で、担任の先生が産休や病休をとったのに、代わりの先生が来ないという事態が複数の学校で起こりました。
 教育長は、このような事態をどのように受け止めているのか、また何故このような事態が起きてしまっているのか、併せて見解を伺います。

岡崎知事
 お答えいたします。
 まず、産休や療養休暇の代替教員に関するお尋ねでございますが、県の教育委員会では出産休暇や療養休暇等で臨時に教員を雇用する予定があった場合は、あらかじめ人選をすすめる等速やかな対応を図っているところでございます。しかしながら、突発的な病気や事故で代替要員が必要となった場合には、診断書の提出を求めたり、学校長による代替教員の面接などいろいろありまして、一定の日数を要することにはなりますが、このような場合でもその間は他の教員たちで協力して、教育活動に支障が出ない対応をするよう指導をしているところでございます。

教員の欠員対策をはかるべき

藤谷県議
 このような事態になっているのは、教員の欠員がでれば臨任や非常勤という不安定な雇用方法で埋めてきた事にあるのではないでしょうか。今年の教員の欠員数は全県で小学校648人、中学校523人、合わせて1,171人となっています。しかも、これは今年始まった事態ではなく、96年の520人から、6年間で2倍以上に増やしています。さらに問題なのは、来年の小中学校の教員採用が1,220人しか予定されていないことです。現在の教員の欠員が1,171人、来年の定年退職者が148人、これに昨年は400人いた勧奨や自己都合での退職者と児童の増加による必要な教員を加えれば、採用予定数を大きく上回り、来年度も多くの欠員が出ることは明らかです。
 教員の採用にあたっては、試験の時期、回数も含め採用試験を見直すなど、欠員を出さないような対策を講じるべきであり、それでも欠員が明らかになったときには、随時採用も行うなど具体的な対策をとるべきであると考えますが、教育長の見解を伺います。

岡崎知事
  次に、教員の欠員対策についてのお尋ねでございます。
毎年の教員採用試験にあたりましては、年度末の退職者数や翌年度の教員定数を勘案しながら採用者数を決定しておりますが、近年、定年退職者以外に、職員の自発的意思に基づく勧奨退職や自己都合退職が増加しておりますことや、特に今年度は国の新しい改善計画がスタートした年であり、昨年の採用試験実施の時点では、この計画による具体的な定数増加分が不明であったというようなことから、欠員が多くなっていることは事実でございます。教育委員会といたしましても、このような現在の欠員状況は、改善していかなければならないと考えておりまして、今後、退職者数の予測や教員定数の推計をより適格に行ない、多数の欠員が生じないよう努力してまいります。
 そこでお尋ねの、欠員を減らすための教員採用試験の回数や時期等を見直すべきであるという点につきましては、1回の試験を実施するためには、試験問題の作成や試験実施機関を含めまして数ヶ月が必要であるというようなこと、また、一方で大学生の就職活動の時期というものを考慮いたしますと、現行の実施時期・方法が適切であると考えております。また、欠員が生じたとき随時採用するため、例えば合格者を多く出しておいて必要に応じて順次採用していくというような方法もございますが、合格者をいたずらに長期間不安定な状態にしておくことは好ましくないと考えております。

30人以下の少人数学級に取り組むべき

藤谷県議
 私たち日本共産党県議団は、秋田県が、小学校1・2年生における30人程度学級に取り組んでいる状況を調査に伺いました。秋田県では、低学年のうちに、学校での生活・学習マナーなどを身に付けさせ、その後の子どもたちの学校生活での基礎を築くために、少人数学級に取り組むことに決めたという事でした。子どもたちからは、「先生によく話を聞いてもらえる」「丁寧に教えてもらえる」と歓迎され、教師からは、「鉛筆の持ち方一つでも、ゆっくり教えられる」などの声が、1学期間だけでもあげられているという事です。学校と家庭の連携も少人数だからこそ強めていけるという実態もお話いただきました。小規模クラスが学習効果を高める可能性があることや、生活指導上もプラスに作用していると考えられる事は、国立教育政策研究所の調査結果でも示され、本年度から10県で、何らかの形で少人数学級に取り組んでいます。
 教育をめぐる問題が全国の中でもとりわけ深刻な神奈川県でこそ、少人数の学級編成が求められており、国に30人以下学級を求めるとともに、一刻も早く、県独自にでも、低学年からの30人以下の少人数学級に取り組むべきと考えますが、教育長の見解を求めます。

小森教育長
 次に、30人以下学級についてのお尋ねでございますが、今年度から始まった国の定数改善計画は、あくまでも学級編成基準は40人としたまま、基礎学力の向上や個々の学校の課題に応じて、必要な教員配置を行なうという計画でございます。議員のお話にございました、例えば小学校1年生と2年生について、一律に30人の学級編成を行なうことは、小学生のほぼ3分の1について学級編成基準を引き下げることになりまして、膨大な県単独の予算増を伴うものであることから、そういった一律の対応は標準法そのものを改正し、国庫負担の裏づけを持って実施すべきものと考えております。
 こうしたことから本県といたしましては、今回の国の定数改善計画の考え方にそって、生活集団としての学級編成基準は40人を標準としつつ、必要に応じて少人数の学習集団を設定して、きめ細かな授業が行なえるよう教員の適正配置に今後とも努めてまいりたいと考えております。


再 質 問

教員定数が不足するような状況を根本的に解決すべき

藤谷県議
 それから、教育問題では、いま教育長は臨任、産休や育児休暇等の場合、また突発的事態についても、担任についても、学校内で都合をつけてやっているから大丈夫だと、しかし、学校全体で見ればですね、定数が不足したままで運営が行なわれている訳でありますから、子どもたちの教育条件が低下したまま何週間もすごしているっていうのは、根本的に解決していかなければならない問題ではないかというふうに思いますので、この点で改めてご意見をお聞かせいただきたいと思います。

岡崎知事
 先程もお答えいたしましたけれども、通常は出産休暇とか、長期になる入院手術のようなときは、そういう療養休暇は相当前から申し出てやっておるわけでございますが、しかしやはり突然になるということもございまして、そのまま長期休暇必要ということですなわち代替要員が必要というようなときは、先程申し上げました通り、医者の一定の期間なのか、非常に暫定的なのかという意味で診断書をとりましたり、いろいろな手続きがあると、そういう意味では実務上、一定の日数を要するケースはあると思います。ぜひその、恐ろしく長期になるということは私は無いと信じておりますが、その間は学校全体が他の教員を助けて、持ちこたえていただきたいというふうに考えております。

(一問一答形式に編集しています)


30人学級・教職員定数に関する資料TOPへ

横浜教職員の会TOPへ

inserted by FC2 system