教育諸問題に関する論評・アッピール・要請文


目次

横浜教職員の会13回第13回総会宣言 (2002.9.7)

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横浜教職員の会第十三回総会宣言
 
 横浜市内のすべての教職員のみなさん。
 自公保政権は、先の国会で、年金・医療など社会保障の削減、公共事業への浪費、大銀行への税金投入、消費税増税の企て、米軍基地への依存・強化など、国民の声を無視し、歪んだ政治をさらに押し進めています。世論を押し切り、医療費の本人三割負担を強行しましたが、有事立法を成立させることはできませんでした。世論調査でも、支持しない率が支持する率を上回ってきました。これは小泉「構造改革」の正体が国民の前に明らかになりつつあることを物語っています。
 子どもと教育を巡っては、この一年間その危機はさらに深刻なものとなってきました。保護者による子どもの虐待,青少年の凶悪犯罪が多発しています。特に、中学校における、警察の関わった暴力事件が激増しています。一方、小・中の不登校者数は、十三万九千人と過去最高となり、増加の一途をたどっています。さらに、学級崩壊の拡がり、小・中学校の半数以上で起こるいじめ、窃盗、暴力、薬物乱用など、どれをみても深刻さを増しています。行政による競争と管理の教育の結果として深刻さを増す教育状況下、「学級崩壊」「不登校」「高校中退」の激増にもかかわらず、自公保政権は、自らの政策の破綻を認めていません。それどころか、「心のノート」なるものを全国の小・中学生に配布し、学校・教職員・保護者に今日の教育の「荒廃」状況の責任を転嫁しています。また、「日の丸・君が代」の押しつけなど、教育改革の出発点を履き違えています。今まさに、子どもたちの声を真摯に聞き、まっすぐに受けとめることから、教育改革が始まるのではないでしょうか。
 私たちの教育活動のよりどころである憲法や教育基本法を改悪しようとする動きが、文字通り本格化してきています。今年の秋には、中教審による教育基本法改悪案の中間報告が出さようとしています。また、今年四月、小泉首相の就任以来二度目の靖国神社への公式参拝には、国内外から昨年以上の多くの抗議・批判を呼び起こしました。にもかかわらず、侵略戦争賛美の扶桑社の歴史教科書が愛媛県公立中高一貫校で採択されてしまいました。このままでは、アジアの中で日本が孤立する方向へ行く危険があります。私たちは、先の戦争に対して、戦争の性格・原因の国民的討議を呼びかけるものです。そのことにより、日本の民主主義が大きく前進するものと期待します。
 四月から、新学習指導要領による完全学校五日制が始まりましたが、平日に仕事が終わらずに、週休日の土曜日に学校に出勤し、仕事をせざるを得ない実態が全国から報告されています。一学期のこのような実態は、以前から多忙を極めていた上に、「勤務時間問題」が追い打ちをかけたと言ってもよいのではないでしょうか。また、私たちの健康にかかわることとして、取れもしない休息・休憩時間を設定し、教職員に長時間連続勤務を押しつけている横浜市教育委員会の責任は重大です。
 横浜市内のすべての教職員のみなさん。
 ここ横浜でも十年前に私たちの会が中心になって、保護者・市民と共に署名を訴え「三〇人以下学級実現」を国に求める意見書を採択させました。今、全国では、多くの自治体で厳しい財政の下、ほかの予算を削ってでも、独自措置として少人数学級に取り組んできています。三〇人以下学級実現が国民みんなの願いとなってきました。このような国民世論に依拠し、憲法・教育基本法・子どもの権利条約に基づいた教育大運動をおこしていきましょう。
 
2002年9月7日
 
         子ども・教育・くらしを守る横浜教職員の会
                       第十三回総会

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